ハレルヤ
□第3話
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「万事屋…万事屋、ねえ」
ペラリ、先日の池田屋騒動の際の書類をめくり、それについた見慣れた顔写真と大江戸警察署から取り寄せた調書を眺める。
「全然情報が掴めなかったと思ったら、歌舞伎町にいたなんてね」
そこには、懐かしい―そしてずっと探していた、かつての仲間の姿があった。
「まあ、銀はいつまでも攘夷を続けてはいないと思ったけど…」
そう言って、苦笑一つ。
そして綱吉は、もう一度、そのやる気のない目をした銀髪の男を見やった。
「まさか万事屋とはねえ…」
確かに彼には、どこかで一つのことを真面目にやっているよりも、自由に過ごしている方が似合っているけれど、と心の中でつぶやいたその時。
「なーにぼーっとしてんでさァ、綱吉ィ」
とそこに、ガラリと障子を開けて入ってきた1人の青年。
彼を見ると、綱吉はさりげなく写真を隠した。
「…総悟。どうしたの?またサボリ?」
そう言って苦笑する綱吉に、沖田はゆるりと首を振って。
「違いまさァ。今日はちょっと、特ダネを持ってきたんでェ。」
その言葉に、なんだ違うのかと笑う綱吉。
書類整理の嫌いな沖田がこの書類が大量にある部屋にやって来るのは、主にサボリ目的だったからだ。
「…知ってますかィ?」
「うん?何を?」
ニヤリ、ひどく楽しげな笑みを浮かべた沖田が聞けば、キョトンとして首を傾げる綱吉。
それに得意げな笑みを返し、沖田は声をひそめて話し出す。
「実は局長が…」
それを聞いた瞬間、綱吉は思わず目を見開いた。
とんでもない噂話
(しかもそれは、)(本当にあったことで)