ハレルヤ
□序章
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「(ああ、俺、死んだのか…)」
真っ暗な中。
ふわふわと浮かぶ感覚。
体に力が入らなくて、ここがどこなのかも分からない。
だけどただ1つだけ、分かることがあった。
――それは、自分が死んだということ。
「(獄寺君泣いてたなあ…リボーン、怒るかな。それとも呆れるかも。ああでも、恭弥さんは怒ってるんだろうなあ…結局本気で手合わせってしなかったし)」
ボンゴレファミリーのボスになって、早三十余年。
部下を庇って死んだなど、なんて自分らしい死に方だろう。
「(でも俺、幸せだったなあ…)」
初めは嫌々だったのに、みんなといるのが楽しくなって。
その幸せを守るため、今日までこの手を汚してきた。
「(でも出来るなら、)」
もっと生きたかった。
もっと皆と話したかった。
もっともっともっと――皆を、守りたかった。
と、そこで。
ふわり、体が浮いたかと思うと、背中に感じる感触。
つい先程までぷかぷかと浮いていたのに、今では重力に従って体重を背中や腰、足で支えている。
その感触に、ああ、どこかに横たわっているのだと他人事のように考えて。
そして、うっすらと目を開ければ――
「…………」
そこには、真っ青な空が、どこまでも広がっていた。
「おや?こんな所に子供が1人」
――と。
突然聞こえてきた、柔らかな声。
「行く宛がないのですか?」
それが、
「だったら家に来るといい」
彼、
「私、寺子屋をやっているんです」
松陽先生との出会いだった。
「よろしく、綱吉」
そして、新たな人生の幕が開いた。
ハロー、はろー、Hello
(さようなら、あの世界)(今日は、この世界)