ハレルヤ
□第15話
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「綱吉ィ、蝋燭持ってやせんか?」
ある日の夕方のことである。
自室を訪ねてきた沖田の言葉に、綱吉は首を傾げて尋ね返した。
「蝋燭?」
「そ。蝋燭でさァ。なるべく長くて太いのがいいんですがねェ」
「あったと思うけど…そんなの何に使うの?」
「ちょっと、ねィ…」
にやり、楽しげに笑って言葉を濁した沖田に、なんとなく分かってしまった綱吉は乾いた笑いをこぼし「ほどほどにね」と一応言っておく。
とはいえ、そんなもの注意にもならないことはわかりきっていたが。
「そういやあ聞きやしたかィ?今日怪談話するらしいんでさァ」
「…怪談話?」
幽霊騒ぎ
-上-
(夏の風物詩は)(いかが?)