ハレルヤ

□第14話
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「あなたが副長補佐の地位だなんて間違ってる」



「ふうん…それで?」



綱吉は突然の乱入者に対し、しかしそちらを見ることなく。

先ほどから整理していた書類から目をそらさず、また手を止めることもなく、片手間に相槌を打つ。

しかしその反面、この少年に興味は持っていた。

なんせ真選組の男たちが汗水流して肉体労働を行い、また鍛錬を行っているのに対し綱吉はと言えば毎日毎日書類整理ばかり。

綱吉の見た目が中世的で男臭くなく、また物腰柔らかなことも相まって特に新人たちの間ではなぜ綱吉が副長補佐などという高位についているのかという不満の声が上がっていることは知っていた。

しかしそれをこうして綱吉本人にぶつけてきたのは彼――山川要だけだったからである。



「俺と勝負してください。そして俺が勝ったら――補佐の座を降りてください」



「君が代わりに、じゃあないんだ?」



「俺は補佐の器でもなければまだそんな力もないので」



「ふうん、まだ、ねえ…」



書類に書き込む手を止め、要の言葉を繰り返す綱吉。

その口元には、楽しげな笑みが広がっていて。



「なら俺が勝ったら、一緒に書類に埋まってね」



そう言って、綱吉は初めて書類から顔を上げ――要を見て、にっこりと笑みを浮かべた。







昔語り

(さあさあ)(懐かしい話を始めようじゃないか)

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