短編集ー

□侵入者
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「俺の室で一体、何をしていた。」


「ぁ、えっと…あの………」


最近、入ってきたばかりの新人御史。
モジモジして、なかなか答えない彼女に苛立ちは覚えなかった。

ある感情が俺の中で渦巻く。
その感情をまだ俺は知らない。誰も教えてくれなかった。


(多分、俺はこれからもそれを理解し、自覚することは無いだろうな……)


だが、その瞬間は君の一言で不意に訪れる。

















「ぁ、あの……!私、…………清雅さんの事好、き……です……………っ!」



(あぁ、分かった。俺はコイツのこと……)




「清、雅さん………?」


黙っている俺を不安そうな瞳が見つめてくる。
コイツは無意識だろうが気持ちを自覚した俺には潤んだ瞳に上目遣い、というだけで結構キツイのだが………誘っているようにしか見えない。


たまらなくなって目の前の愛しい奴を自分の腕におさめる。


「……………………(チュッ)」


「〜〜〜〜ッ///」


優しい口づけは肯定の意味。

そっと唇を離して、また腕に抱く。
今度は彼女も俺の背中に腕を回す。


「ありがと…………」


「こちらこそ…。」

こんな気持ちを教えてくれて………


ありがとう。












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