彩雲国物語

□仔猫
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 絳攸が道に迷っていると知っている愀瑛は、子供をあやすように尋ねた。
 それに対し絳攸は…
「お前こそ何でこんな所にいる」
「私は主上に指示されてね。府庫へと資料を探しに向かっているんだよ」
 愀瑛は本当は左羽林軍に用があったのだが、嘘を吐き府庫に行くと言った。
 これは正直に言えない絳攸の事を思っての事だった。
「そうか、奇遇だな。俺も府庫へ行く所だったんだ。しょうがないから一緒に行ってやろう」
 一時はどうなるかと思われた絳攸は、ほっと胸を撫で下ろした。
「藍将軍、こんな所に」
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