彩雲国物語
□日常
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一方その頃王都貴陽では、彩雲国の王"紫 劉輝"が山のように積んである書類を前に嘆いていた。
「秀麗…。今頃どうしているだろうか」
劉輝は机に右頬を付き、虚ろな目をして呟いていた。
「主上、そんなに気になるなら会いに行けば良いと思いますが。……女性の心が離れて行かない内に」
そんな王を見かねて、左羽林軍武官"藍 愀瑛"が声をかける。
「そこの常春男!! 少しはそんな事しか働かない頭を違う事に使ったらどうだ!!」
「絳攸…珍しいね。此処まで迷わずに来たのかい?」