幸福喫茶三丁目
□和菓子
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進藤side
「ほな、よろしゅーな」
そう言って、和菓子家の長男である柏は、一郎と会話をして店を出ていった。
何故、安倍川兄が此処に来たのかとか、何故俺じゃなく一郎なのかが全くの謎だったが、特別自分に何も関係ないと思いなおし、ケーキ作りに専念した。
「咲月さ〜ん」
一郎が詰め寄ってくる。
「なんだ。俺は忙しいんだ。ほら客来たぞ」
「いらっしゃいませ〜。何名様ですか?」
すると、高村が接客に応じてしまった。全くこういう時に限って仕事しやがるんだからよ。