君に届け
□君に届け
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「付き合ってくんねぇ?」
「…はい」
僕達は、お互い望んで恋人どうしになった。
〜悠side〜
「おぃ 帰るぞ」
何時もは自分から彼の教室に迎えに行くのに、今日は向こうから態々来てくれた。僕、(片岡 悠 /カタオカ ハルカ)は恐縮して謝り、お礼を言おうとした。
「すっすみません…あっ……と、その───」
「…何だよ ハッキリ言えよな」
「ごめんなさいっ」
「…もう良いから早くしろ」
僕は涙ぐみ唇を噛んで堪えた。
…いつもこうだ。僕は彼を困らせてばかりいる。あの時、何で僕を好きになってくれたのか分からなかった。