その果てに
□美味しいもの(☆)
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読んでいた書簡を全て片付け、茶を淹れると二人はちょっと早いお茶の時間にした。
「美味いな」
「はい。凄く美味しいです。」
他愛の無い話しをしながら菓子を摘んで茶を飲んで。そうしている内にトウ艾はあることに気付く。
「…首、痛くならないか?」
「首ですか?」
陸抗は首を上げて話しをしている。しかも結構な角度で。
「ああ、見上げないとトウ艾殿と視線が合わないので」
「そうか」
確かにトウ艾と陸抗は頭一つ分程身長が離れている。キスをする時でもトウ艾が屈み、陸抗が背伸びをしないと届かない。
「よし」
「え…?」
トウ艾は茶を全て飲み終えるとテキパキと菓子をしまい出す。その突然の行動に、何かあるのかと必死に陸抗も茶を飲み干す。が…
「ッ熱い‥」
「猫舌なのに無理をするからだ。」
陸抗から椀を奪うとトウ艾はそれを寝台の脇に置く。そして、細い肩を押して自分よりも小さな身体を寝台に沈めた。
突然の行動に陸抗はアタフタとしてしまう。
「トウ艾殿?!」
「よく言うじゃないか。寝る子は育つと。」
「確かに言いますが‥ンぅ…」
「沢山寝ればでかくなるだろう?」
陸抗が何かを言う前に巧みなキスで熱を点していく。最初は暴れていた陸抗の力も次第に弱まり、抵抗していた手も最後にはトウ艾の背に回っていた。
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