その果てに

□その果てに (長編)
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ある日のこと。君主孫堅の突然の招集に、戸惑いつつも全員が大広間に集まった。

その中には陸遜とその息子である陸抗の姿もあった。
陸遜は孫策と大喬の娘婿であり、陸抗は孫策の孫でもある。孫策は陸抗をとても可愛がっており、その姿は正に目に入れても痛くないといった状態。

その日も陸抗が来たとわかった途端颯爽と陸抗に抱きついていた。

「大きくなったじゃねーか!!」
「はい。お久し振りでございますお祖父様」
「くぅう相変わらず可愛いぞ幼節!!」

ちょっと困ったような、照れながらも嬉しそうな息子の表情を見て陸遜も微笑む。
最近陸抗は元気が無かった。旗から見たらいつもと変わらないように見えるが、父親である陸遜には直ぐにわかってしまった。

陸抗はとても寂しそうだ…と。

何となく事情がわかった陸遜は今回のことを孫堅に相談してみた。もちろん孫堅も最初はその提案を快く思わなかった。だが、大事な曾孫の為ならばと最後には渋々頷いた。


そうして一同が集まった所で孫堅が現れ、今回の提案を発表した。



「我ら孫呉はこれより、魏と同盟する。」


陸遜は傍らで佇む息子の姿をチラリと見た。
陸抗はとても嬉しそうな笑みを浮かべていた。








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