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□本の世界の終焉
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真夜中の街を一人の子供がかけて行く。
月の光に照らされている道をただひたすら走っていく。
今は10月の寒空のしただと言うのに、子供の格好はまるで夏の格好だ。
半袖、短パンという格好。
軽い、天然パーマがかかった茶色い短髪の髪は風を受けなびいていた。
男の子ーアイの手には、金色に光る小さな銃が握られている。
アイは急な坂も諸共せず、走り続ける。
アイはある屋敷の大きな門の前に立った。
屋敷はこの街一番の大きさで、丘の一番上にあり、街の全体を見下ろすことが出来る。
まるで王にでもなった気分だ。
きっとこの屋敷の持ち主、ヴィーバ家もそうやっていつも見下ろしているのだろう。
自分以外は、ゴミだっと思いながら・・・。
アイは門から横に脚を進めて、アイの背の2倍は在りそうな鉄格子の前に立った。
鉄格子には棘のついた蔓が絡み付いてる。
立つと迷うことなく、手に持っていた銃を鉄格子に向け、打った。
 ダン!ダン!
静かな夜に銃声の音だけが響き渡る。
 カランカラン・・・・
鉄格子は大きな音をたってて地面に倒れた。
アイの持っている銃はたった2発で鉄格子を壊してしまった。
アイは表情一つ変えず、屋敷の中に足を踏み入れる。
むき出しの脚には容赦なく、植物の棘が刺さる。
ズボンも棘のせいで裂かれる。
しかし、アイは気に留める事無く、通り抜ける。
「止めれ!!」
銃弾の音を聞きつけた兵士の一人が声を張り上げて言った。
アイは言われたとうり脚を止めた。
兵士の手には剣が握られ、アイに剣の先が突きつけられている。
他の兵士たちも集まり、あっという間にアイは兵士たちに囲まれてしまった。
何十本と剣を向けられているというのに、アイはビックともしない。
さっきはヴィーバ家と聞いただけで体を震わせていたというのに・・・・。
アイは目の前に立ちはだかる兵士たちに、銃口を向けた。
兵士に挑もうとしているのか、兵士の数はざっと数えても15、6人はいる。
完全にアイが不利だ。
 ダンッ!
アイが何の迷いも無く、弾を打った。
その弾はまっすぐ飛び、兵士の鎧をつき抜け、心臓に届く。
兵士は驚いた顔をしたままゆっくりと倒れた。
周りにいた兵士たちが一瞬怯む。
アイはそれを平然と見ていた。
・・・いや、何も目には映ってなかった。
「このーーー!!!」
兵士の一人が剣を高々と上げ、アイに襲い掛かろうとした。
しかし剣はアイを刺さず、地面を刺した。
また一人、兵士が地面に倒れる。
綺麗に切りそろえてある芝生の上に、真っ赤な血が飛ぶ。
兵士たちは次から次えとアイに襲い掛かったが、どの剣もアイを刺すことは無かった・・・。

また静けさが戻った庭は、地獄のようになっていた。
芝生の上に倒れている者たちは皆、息をしておらず、真っ赤な血が流れ落ち辺りを染める。
アイは辺りに倒れる兵士など見る事無く、先に脚を進める。
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