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□本の世界のさつまいもパーティー
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温かい昼間の太陽の下、オレは森の中にある湖で泳いでいた。
水は冷たかったが今のオレには丁度良かった。
起きてからずっと気分が悪い。
あの、夢のせいだろうか。
普段から夢など見ないオレが見た夢・・・。
前にも見たような気はするのだが、まったく内容を思えていない。
湖の深くまでもぐり、泳いでいいたが、息が苦しくなり、水から顔を出した。
顔を出すと、茶色や黄色に色づいた葉が風に吹かれ、かさかさと音と、鳥の声が森の中に響き渡る。
オレは湖の端まで泳ぎ水から出る。
ごわごわの硬いタオルで体を拭き、綺麗にたたんだ服をきて、家に向かって脚を進める。
家の前では枯葉を集める子供たちがいた。
「何してるんだ?」
オレは一生懸命枯葉を集めている子供たちに聞いた。
「ミック兄がさつまいも持ってきたの。だから葉っぱを集めて、焼き芋パーティーするの」
この家族の中で一番年下のミュウが楽しそうに答えた。
「アイ兄も集めるの手伝ってー」
両手でオレの手を掴み、力一杯引っぱる。
「あ!分かった。手伝うから引っぱるなって、危ないだろう」
低い大勢で走るのは、難しいとオレはこのとき思った。
焼き芋パーティーは無事、何事もなく、楽しく終わった。
お腹いっぱいになった子供たちは、夕日の中で鬼ごっこをしている。
「それにしても、良くこんなに芋手に入れられたな。何処から取ってきたんだよ?」
今はもう空っぽになったさつまいもの箱を見ながら言った。
ミックは笑いながら、秘密だ、と言って教えてくれなかった。
夕日が完全に暮れてた頃、オレが子供たちに夕飯は?と聞くと、声をそろえて、いらなーいと答えた(余程さつまいもは腹持ちが良いらしい)。
それにしてもあのさつまいも、本当にどっから取ってきたのだろう・・・。

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