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□本の世界の夢
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(・・・ここは・・・、どこだ・・?夢の中か・・・)
ゆっくりと目を開け、ゆっくりと頭の中で呟く。
真っ白の世界。
まるで、自分まで真っ白になって消えてしまいそうな白い世界。
足は硬いところを踏みしめてはおらず、体がフカフカと浮いている。
真っ白の世界をただ眺めていると、遠くから声がした。
『やめろーーー!!』
誰かだ叫ぶ声が聞こえる。
声は何処から聞こえている?
辺りを見渡しても白い壁ばかりだ。
『目・・・を覚ましてくれ・・』
チリーン・・・
今度聞こえた声はとても苦しそうだった。
(最後・・・、誰を呼んだんだ・・・?)
鈴の音のような清んだ音のせいで聞こえなかった。
だけど・・・、誰かを呼んだのはなんとなく分かった。
・・・苦しい・・・。
急に息がし辛くなる。
胸が熱い・・・。
まるで胸の近くに火があるように胸が熱くなる。
オレ・・・、なんで泣いてんだ・・・・?
熱い頬を冷ますように、冷たい涙が流れる。
どうしようもない体の痛みにオレは無意識のうちに誰かに助けを求めるように、上に手を伸ばしていた。
オレの上には
闇があった・・・。